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小泉八雲「占の話」 

小泉八雲に「占の話」という随筆があって、挿話がおもしろい。昔の中国で、ある男が瓦を枕にして眠っていると、1匹の鼠(ねずみ)が顔を走った。怒って瓦を投げつけたが、鼠には当たらずに割れてしまう▼男は軽率を悔いて破片を眺め、そこに刻まれた字に気づく。「卯(う)の年の四月十七日、巳(み)の刻に、この瓦は枕になったあとで、鼠に投げられて砕ける」。あまりの的中に男は驚き、焼く前の粘土瓦に予言を書いたという老人を探しに出かける――。

~「天声人語」より~


此の話、それで終わりにされては堪らない。天声人語独特の最初の一文「つかみ」に見事ハマってしまった。その後、一日気になり夜「ラジオ深夜便」を聞きながら検索を繰り返すのだが、そこから聴こえてくる話がこれまたメチャクチャ面白いのだ。

国民幸せ度NO.1のブータンに出かけたある僧侶の話なのだが、「墓のない・儚い話」や「鶴と電気」という実話。情趣あふれ、原風景が目に飛び込んで来るような語り口で思わず聞き入ってしまった。検索と同時進行でワクワクしながら、いつしか夜もふけてゆく。

さて・・・その話は、またおいおい。

kousetu.jpg

昔々、中国に邵康節(しょうこうせつ)という者がいた。学徳により若くして高官になったが、一生を学問に打ち込みたいと願い世俗の地位を捨て、山の中に独り庵を結んだ。

冬は火を遣わず、夏は扇をとらず、寝るときは枕代わりに一枚の瓦を用いる。ただもう一心に勉強に励み、仙人さながら質素な生活をしていたある日のこと。

大暑の折、うとうとした時だった。どこからか一匹の鼠が出て来たので、咄嗟に枕代わりの瓦を投げつけたが、当たらずに鼠は逃げてしまった。

砕けた瓦を見ると・・・

冒頭にあるように見事的中し、その老人を探す旅に出る。

邯鄲の枕

余談になるが、その枕には二つの説がある。屋根瓦だといかにも質素なのだが、陶器の枕という説。好きな故事の一つ「邯鄲の夢」の話で、立身出世を夢見る盧生(ろせい)という青年が峠の茶屋で一眠りしたのはこの陶器の枕である。穴から煙が出て、粟飯が炊きあがる一炊で一生の夢を見たのだ。

閑話休題。
そして、康節はとうとう瓦職人を探し当てた。職人に訊ねると、その老人は易学の書を携えしばらく工房に居て、瓦を焼く前に文字を書いたという。

住まいを教えられ早速赴いたが、出てきたのは弟子の占い師だった。そして、老人は数日前に既に亡くなったと聞かされた。

先生(老人)は、弟子に遺言を伝えてあった。康節という賢者がこの日に訪ねてくるので、渡して欲しいと。

それは、あの易学の書だった。


まだ話は無くも無いが、ここで結んだ方が余韻が残るし夢もあるような気がする。と言うのは、色んなエピソードがあり、後々に付け加えられたような節がある。

例えば、康節が家に帰り書の秘伝通り占い自宅の庭を掘ったら黄金の壺が・・・。その事は弟子に渡された遺書に既に予言されており、その者が自分を弔ってくれるであろう、と。

ただし、小泉八雲の挿話に限っては、壺の発見で締め括られてるように思われる。また康節に関しても、「易者、身の上知らず」と。

そして、康節はこの書を元に研鑽を重ね、後に完成した易が「梅花心易」と云われている。梅花心易とは、筮竹(ぜいちく)その他一切の道具を使わず、占断する年月日時および周囲のあらゆる事象から卦を立てる占いである。

未来というよりどちらかと言えば、現在の状況が気味悪いほど・・・当たるそうな。

[ 2012/02 ] 不思議な話 | CM(0)

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